リウマチ科とは

リウマチのイメージ画像

運動器(骨、筋肉、関節、神経 など)のいずれかに痛みやこわばりを引き起こしている病気を総称してリウマチと言います。リウマチ性疾患は200種類以上あると言われています。具体的には、免疫異常によって引き起こされる関節リウマチや全身性エリテマトーデスをはじめ、代謝異常が原因の痛風、ウイルスや細菌などの病原体に感染して発症する感染性関節炎、加齢などをきっかけとした骨や軟骨の変形による変形性関節症なども含まれますが、一般的には自己免疫性リウマチ疾患のことをリウマチと指すことが多く、その中でも患者数が圧倒的に多いのが関節リウマチです。当診療科は、この関節リウマチの症状を訴える患者さんを中心に診療していきます。

関節リウマチとは

発症原因が特定されているわけではありませんが、主に免疫の異常によって引き起こされ、関節(骨膜)に腫れや痛みの症状が現れている状態を関節リウマチと言います。さらに病状が進行すると関節の骨や軟骨は破壊され、変形するようになります。

人間の関節は全部で68カ所あります。この全ての関節で炎症などが発症することもありますが、大半の患者さんでは、手首や手指(なかでも第2・3関節)の関節でみられるようになります。そのほかにも、肩、膝、肘、足首、足の指、脊椎、股間などの関節にも発症し、炎症などによる腫れが長引くと、やがて関節の軟骨や骨は破壊され、変形するようになるのです。そのほかの特徴として女性患者の数が、男性患者と比べると圧倒的に多く、その男女の比率は1:4と言われ、30~50代の女性によく見受けられると言われています。

また関節リウマチによく現れやすい初期症状というのがあります。具体的には、朝起きて間もなくは、手が開きにくい、手足を動かそうとするもぎこちない、関節を屈伸させようとすると不自由に感じる(朝の手のこわばり)といったことです。このほか、一方の手の関節に腫れがあれば、もう一方の手も同様に腫れている(左右対称)、複数の関節に痛みがある、皮下に結節(しこり)があるという場合も関節リウマチが疑われます。全身症状としては、微熱、倦怠感、食欲不振がみられることもあります。これらの症状に心当たりのある方は、一度当院をご受診ください。

検査に関して

患者さんにみられる症状や訴えから関節リウマチが疑われる場合は、診断をつけるための検査を行っていきます。問診や触診をはじめ、血液検査や画像検査が行われます。血液検査は、関節の炎症の有無、炎症が確認された場合は症状の程度などを調べるために行います。また、画像検査では、X線撮影、関節超音波検査、CT、MRIといった検査機器を用いて、骨や軟骨の変形の有無、関節包を覆う滑膜の炎症の有無などを確認するなどして、発症しているかどうかを判定していきます。

治療について

治療は大きく保存療法と手術療法に分かれます。

保存療法では、腫れや関節痛の低減、関節機能の改善、関節破壊の進行抑制といったことを目的に寛解(完治はしていないが、症状に気づくことなく日常生活を送れている状態)を目指していきます。その内容は、薬物療法とリハビリテーションになります。薬物療法では、まず免疫抑制薬のメトトレキサートを使用していくのが大半です。ただ同薬のみでは改善が困難と医師が判断すれば、生物学的製剤も併用していきます(使用によって、感染症に罹患しやすくなるので、事前に検査をする必要があります)。また、薬物療法のみに頼り切って関節を動かさないでいると、関節可動域が狭くなるなど日常生活にも支障をきたすようになるので、適度な運動や物理療法などを行います。

また保存療法では症状が改善しない、関節破壊や骨変形など病状が進行しすぎたという場合に手術療法(外科的治療)が選択されます。施術方法としては、滑膜切除術、人工関節置換術、関節固定術などがありますが、それぞれの患者さんの症状の程度によって異なります。なお手術療法が必要と医師が判断した場合は、当院の地域医療連携先でもある総合病院などの医療機関を紹介いたします。